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2006/05/17

恐くて優しい

 日経新聞の文化面に「交遊抄」というコラムがあります。毎日著名人(財界から芸能界から種々さまざま)が自分と交流のある人たちのことをエッセイ風に描くコラムです。今日の書き手はイッセー尾形さん。「恐い方々」と題されています。その中にこんなくだりがありました。

「僕(引用者注:永六輔さん)の奥さんが言いました。『新しく芽を出しそうな人を見ると、あなた達皆で良い良いと褒めちぎりながら土を踏み固めて根を枯らすのよネ』って。ですからこの人(引用者注:イッセーさん)のことはあまり褒めないようにしましょう」と言っていた。恐い方々が垣根になっていて下さったのだ。

 ここでいう「恐い方々」というのは、“信念を生き方で現わす方達”とイッセーさんが考える人たち。まだイッセーさんがあまり売れていない頃から彼の芸を受け入れてくれていた人たちです。
 今の代表フィーバー(選ぶ言葉が古いなワタシも)を見ていると、つくづく“恐い人”というものが必要なのだと思うわけです。巻にしても、一夜にして、いえ、ジーコの一言からあれだけの報道が押し寄せ、連日報道されてしまうわけで、心を強く持っていたとしてもなかなか自分ひとりで垣根を作り芽を守っていくのは難しいことでしょう。そんなときに垣根になってくれる人たちがそばにいるのといないのとではその後が大きく変わってしまうのだろうなと。
 そしてEL GOLAZOの羽生のコメントを読んで、恐いだけでなく優しさの垣根というのもあるのかもしれないと思ったのでした。羽生の言葉は、阿部をも守る垣根です。もちろん、勇人の言葉も寿人の芽を守る垣根になっていると思うのです。
 …なんて、ちょっとポエミーな気分で書いてみたりして。

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コメント

『新しく芽を出しそうな人を見ると、あなた達皆で良い良いと褒めちぎりながら土を踏み固めて根を枯らすのよネ』
>うーむ、よく分かります。イチロー、高橋尚子、みんな持ち上げられてある日突然落とされるこわーい瞬間にいつも震えてました…オシム監督の下にいれば安心というのはあるのですが、巻の垣根になる怖い人、誰かいませんかね。

はじめまして。
読んでつい、大きくうなづいてしまいました。
今回の事で一夜にして時の人になってしまった巻選手。
うれしいことなんだけど、一抹の不安を感じてたんですね。
できれば、今までの巻選手でいてほしい。
あの、素朴でまっすぐな・・・
きっと、きっと大丈夫。
オシム監督も千葉の仲間たちもいるから・・

お久しぶりです。
 とても感慨深かったので、私のブログでもリンク張ってしまいました。

 恐い人の定義が「信念を生き方で現わす方達」というのが又考え深いです。巻の周りにはたくさんいそうですね。巻の場合、土が多少固くなった位だったら自分の葉と根で自力で耕しそうです(笑)
 
 

>ジェフリスさん
 今のところ“恐い人”筆頭はオシムでしょうね。
 チームには私たちの知らない「恐い人」がいるのだと信じてますw

>たむさん
 飯田留美さんのブログによれば、あの代表発表の日に押しかけた報道陣に巻のことばかり聞かれた選手たちは、必ず阿部のことも口にして必要性を語っていたとのことで、そんな仲間たちと一緒にいるならきっと大丈夫だと思います。

>ニアさん
 >土が固くなった位だったら自分の葉と根で耕しそう
 あはは、巻にはそれくらいやってのけそうなたくましさがありますねw
 何となく、ウチのチームにいれば大丈夫、なんて思っていますけど。

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